こんにちは♡
看護師ねふなです
復職に向けて
知識の整理をしました
今回は
感染性心内膜炎
について
お伝えします
7つのポイントで知る感染性心内膜炎
感染性心内膜炎について7つのポイントで記載しています。
「伸展ステージ別に理解する心不全看護」はこちら↓↓
ポイント1:感染性心内膜炎定義と発生機序
感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)
弁膜や心内膜、大血管内膜に細菌集蔟を含む疣腫(vegetation)を形成し、菌血症、血管塞栓、心障害などの多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患
病態・発生機序
IEは心臓に異常がない患者に発症することはほとんどありません。
先天性心疾患や後天性弁膜症などによって心臓内に速い短絡血流や弁逆流があると、心内膜が傷つき、そこに血小板の凝集やフィブリン沈着が起こります。
この状態で菌血症が起きると、血小板の凝集やフィブリン沈着に細菌が付着、増殖し疣贅を生じます。
疣贅は細菌、フィブリン、血小板、赤血球、白血球からなり、大きさと形状は様々です。
疣贅の発生部位は血流ジェットがあたる部分で、僧帽弁では左房側、大動脈弁では左心室側に生じることが多いです。
ときに弁の両側に生じ、弁周囲や弁下組織を巻き込むことがあります。
人工弁ではまず弁座に疣贅ができます。
ポイント2:感染性心内膜炎起因菌
起因菌
連鎖球菌(Streptococcus)
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
腸球菌(enterococci)
※連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、腸球菌が80~90%を占める
グラム陰性桿菌
α溶連菌
Rickettsia(Q熱)、真菌、ウィルス
細菌の種類によってはゆっくり進行するものから、急激に進行するものまであります。
これらの細菌は損傷された弁の表面に付着する特殊なレセプターをもっています。
自己弁IEで最も多い起因菌
α溶血性連鎖球菌(α-hemolytic streptococci=緑色連鎖球菌 Viridans streptococci)
培養陰性心内膜炎(culture-negative endocarditis:CNE)
IEが考えられるにもかかわらず、血液培養が陰性のもの
培養が陰性となる原因
1.抗生物質の投与
2.培養困難な起因菌(HACEKとよばれる口腔内、上咽頭のグラム陰性桿菌)
3.カンジダ、アスペルギルスなどの真菌
ブルセラ、バルトネラ、レジオネラ、クラミジアなど
ポイント3:感染性心内膜炎感染経路
歯科領域(抜歯処置や慢性歯肉炎)
歯科治療で歯ぐきなどに傷ができると、少量の細菌でも血流に侵入します。
軟部組織、血管、消化管
軽度の皮膚感染症や、他の部位の感染症も、細菌が血流に侵入する原因となります。
さらに、他の外科的、内科的処置も細菌が血流に侵入する原因となります。
まれに開胸術や人工弁置換術の際に細菌が心臓に侵入することがあります。
心臓弁が正常な人は細菌の影響を受けることはないのですが、心臓弁に問題があると細菌が増殖を始めます。
ほとんどの場合、僧帽弁や大動脈弁に感染することが多いです。
侵入門戸が判明しないことも多いです。
ポイント4:感染性心内膜炎心疾患ハイリスク群
1.重篤な感染性心内膜炎を引き起こす可能性が高い心疾患で予防が必要
・生体弁、同種弁を含む人工弁置換患者・感染性心内膜炎の既往を有する患者
・複雑性チアノーゼ性先天性心疾患(単心室、完全大血管転位、ファロー四徴症)
・体循環系と肺循環系の短絡造設術を実施した患者
2.感染性心内膜炎を引き起こす可能性が高く予防が必要
・ほとんどの先天性心疾患・後天性弁膜症
・閉塞性肥大型心筋症・弁逆流を伴う僧帽弁逸脱
ハイリスク群において、感染性心内膜炎予防として抗菌薬投与が推奨されている手技
歯科・口腔外科領域
出血を伴う大きな侵襲の口腔内歯科処置
(抜歯、歯周外科手術、インプラント埋入、歯根端切除術、骨膜下局所麻酔など)
呼吸器領域
扁桃摘出術、アデノイド摘出術など
ポイント5:感染性心内膜炎症状
ベッドサイドで診察できるものとして、がある。
非特異的症状
全身倦怠感、易疲労感、持続する微熱、寝汗、体重減少
細菌による感染
高熱(しかもなかなか下がらない)、関節痛・筋肉痛・腰痛
心臓弁(大動脈弁・僧帽弁)の破壊・心筋障害による心不全症状
息切れ、呼吸困難、浮腫、冷汗
食欲不振、体重減少
手足に黒い斑点ができる(皮下組織の出血)
塞栓症状
細菌が心臓から全身に飛んでいく塞栓、感染も約半数にある
脳血管障害、感染性脳動脈瘤、髄膜炎、心筋梗塞
腹痛(腹部内臓動脈の塞栓症状)、血尿(腎梗塞)、四肢の急性動脈閉塞
眼球結膜・眼底(Roth斑:眼底のドーナツ状の出血)
頬粘膜・口蓋の点状出血
爪下点状出血
Janeway lesion
手掌、足裏にある小さく圧痛のない、紅斑性、出血性、黄斑状、丘疹状、結節性の病変
ポイント6:感染性心内膜炎診断
臨床症状
持続する発熱
血液検査
白血球の上昇、CRPの上昇
血液培養で起因菌の同定
心臓エコー
心臓の弁、心臓の中に疣贅が認められる
また弁の狭窄や逆流を認める
胸部X線
心拡大あるいは肺うっ血の所見
心電図検査
弁膜症合併の場合心筋肥大、心房細動など
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ポイント7:感染性心内膜炎治療
細菌そのものに対する治療
原則は抗生物質で細菌を死滅させます。
細菌で傷ついた心臓の治療
心不全治療
酸素投与、利尿剤、強心剤等で心臓の負担を減らします。
まずは内科的な治療を行い、感染を止め、心臓の調子をよくすることが原則です。
手術適応
1.抗生物質で効果がない(熱が下がらない、心臓の弁がますます細菌に潰される)
2.心臓の状態が悪化し心不全が進行する
3.大きな疣贅がある(1cm以上)
手術の方法
心臓の中の細菌の塊を除去、洗浄し、細菌によって傷ついた心臓の弁を修復するか人工弁に取り替えます。
細菌が心臓の壁や筋肉、大動脈のさらに奥まで侵入している場合はパッチで修復します。
術後の治療
術後は約6週間の抗生物質での治療を行ない、細菌の再発を防ぎます。
細菌の種類、病状によっては、なかなか細菌が死滅しない場合もあります。
熱が下がり血液検査での感染状態が正常化するまで抗生物質治療が必要となります。
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看護師ブログ:ねふなHappyワークライフバランスは現役看護師がネフローゼ症候群発症し職場復帰を目指し奮闘する日々を綴っています。
初めて入院にまで至ったネフローゼ症候群について、入院の経緯、療養生活の不安などをお伝えして、少しでも同じ症状の方の療養生活や看護や仕事の悩みの参考になればと思っています。
看護の知識もちょっとずつまとめてアウトプットしています。
また、異業種を約10年働き再び看護師復帰をした経験もあります。
看護師以外の方へも仕事の悩みや日々をHappyに過ごす参考に少しでもなればと思っています。