心室性不整脈
このブログでは現役看護師がネフローゼ症候群に罹患し
職場復帰を目指して奮闘する日々を綴っています。
今まで培ってきた看護の知識を整理しアウトプットしています。
刺激伝導系を会社にたとえると、心室性は部下に当たる部分で起こる不整脈。
今回は、心室性不整脈について記載しています。
心電図波形
心電図(electrocardiogram:ECG)
心電図検査は、主に2種類の異常がないかを調べることができます。
①脈の乱れがないか(不整脈)
②心臓の筋肉に異常がないか(心筋梗塞、狭心症、心筋症など)
刺激伝導系
刺激伝導系
①洞結節②房室結節③ヒス束-脚(右脚・左脚)-プルキンエ線維で構成されています。
不整脈、習い始めの頃よくこのたとえ聞きました。
刺激伝導系を会社組織で考えると
洞結節:社長
心房:部長
房室結節:課長
心筋:部下のイメージです。
心室性不整脈
心室性不整脈
心臓の下側(心室)から起きる不整脈のこと
部下が原因の不整脈と考えます。
部下(心室)が完全にバラバラに動くと会社(心臓)が成り立たなくなる(致命的になる)
原因
心臓自体に疾患がない特発性
心筋梗塞や心筋症に合併して起こる二次性
症状
脈不整感、動悸
連続して出現する心室頻拍の場合は血圧低下、めまいや失神を起こす場合もある
全く自覚症状のないケースもあり、検診で見つかる場合もある
心室性期外収縮(premature ventricular contraction;:PVC)
本来の洞結節からの刺激より早く心室側で発生した刺激によって興奮が開始する現象です。
QRSは本来の洞調律の波形と比べて幅広く脚ブロック型を示します。
P波は、心室側で発生した興奮が心房側へ逆に伝わることで発生する場合があります。
この場合のP波は逆転し、T波付近に重なることがあり確認できないことがあります。
早期の興奮時期が、早ければ早いほど、その時の血圧は発生しにくくなります。
逆に、次の左室収縮により拍出量が増え胸がドキッと感じることがあります。
心室頻拍 (ventricular tachycardia:VT)
心室性期外収縮が引き金となり、突然、発作的に頻拍となります。
発生した異所性興奮が旋回することや心筋細胞の自動能が亢進し発生します。
心室期外収縮が3連発以上発生すると心室頻拍と定義されます。
持続性(sustained VT):30秒以上持続する
非持続性(nonsustained VT):30秒以内に自然に治まる
slow VT(促進型心筋固有調律):レートが70~120程度の緩やかな頻度で発生する
これは心室の自動能が亢進して発生するタイプで、比較的予後の良いものです。
トルサード・ド・ポアン(torsade de pointes)
QT延長症候群に発生する心室頻拍で、頻拍時の波形がねじれたような形を取り
時に心室細動に移行する場合があります。
心室細動(ventricular fibrillation VF)
心室内での異所性興奮が、心室内の様々な場所で無秩序に早い周期で
繰り返し起こっている状態です。
無秩序な興奮を行っているために、心室全体としての
均一な収縮がなく、心室からの血液拍出は、ほとんど行われていません。
意識は消失し、数分以内に正常調律に戻らない場合、死に至る最も危険な不整脈です。
心室性頻拍、連続性または多源性心室性期外収縮、R on T型心室期外収縮などから
心室細動に移行することがあります。
心電図波形はQRSは幅広く不規則な波形を示し、P波は認められません。