こんにちは♡
看護師ねふなです
復職に向けて
知識の整理をしました
今回は
大動脈弁閉鎖不全症
について
お伝えします
現役看護師がネフローゼ症候群発症し、職場復帰を目指し奮闘する日々を綴っています。
その一つとして、今まで培ってきた看護の知識を整理しアウトプットしています。
心不全の原因疾患の一つである弁膜症についてポイントを絞ってまとめてみました。
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ポイント1:弁の種類と働き
心臓には右心房と右心室間に三尖弁、右心室と肺動脈間に肺動脈弁、左心房と左心室間に僧帽弁、左心室と大動脈間に大動脈弁と4つの弁があります。
心臓弁の役割は血液の流れを一方通行にし、逆流を防止します。
心室が収縮する時
僧帽弁と三尖弁は閉じ、動脈弁が開いて血液はそれぞれ肺動脈(静脈血)、大動脈(動脈血)へ拍出されます。
心室が拡張する時
動脈弁は閉じ、三尖弁、僧帽弁は開き血液は心室内へ流入します。
僧帽弁は2枚、三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁は3枚の弁尖で構成されています。
僧帽弁と三尖弁の弁尖は、弁が閉じるときに心房側に反転しないように、腱索(ヒモ状の組織)によって心室側の乳頭筋とつながっています。
この弁尖と腱索がパラシュート状になることで、心室から心房への逆流が阻止されます。
ポイント2:弁膜症は狭窄症と閉鎖不全症
心臓弁膜症
弁が加齢・感染症・外傷・先天的などの問題によって正常に機能しなくなり、心臓のポンプ機能に様々な支障をきたした状態をいいます。
狭窄症
弁尖の一つが正しい位置まで開かず、血液が流れにくくなります。
閉鎖不全症
心臓の弁が正常に働かず、弁の閉鎖が不完全なため、心臓の中で血液が逆流します。
ポイント3:大動脈弁閉鎖不全症
大動脈弁(aortic valve)
左心室出口と大動脈の間にある弁、弁尖は三枚で構成されています。
正常な大動脈弁の弁口面積は3.0~4.0㎠
大動脈弁閉鎖不全症(aortic regurgitation)
なんらかの原因で心臓の拡張期に大動脈弁の閉まりが悪くなり、大動脈に送った血液が左心室に逆流するようになります。
押し出した血液が戻ってくるため心臓にとって大きな負担となり、罹患期間や重症度によって呼吸困難などの心不全症状が出現します。
ポイント4:大動脈弁閉鎖不全症特徴
特徴
1.心臓の収縮期の血圧が上昇し、拡張期の血圧が低下します。
そのため脈圧(収縮期と拡張期の血圧の差)が増大します。
2.心臓の拍動に合わせて頭部が前後に揺れるミュッセ徴候が現れます。
3.大動脈弁狭窄症と違い、突然死はあまり起こりません。
他覚所見
急速に上下する容量の大きな脈拍
頸動脈、網膜動脈、肝臓、脾臓の拍動
心音
正常な1音と鋭いまたは打ち付けるような強い2音
第3または第4肋間胸骨左縁で強く聴取できる
患者に前傾姿勢をとらせ、呼気終末で息を止めたさせた状態で聴取しやすい
診断検査
胸部レントゲン撮影:心拡大および大動脈基部の突出を認める
心エコー検査:左室不全に続発する肺高血圧症の重症度評価、疣腫または心嚢液貯留の検出、および予後に関する情報の収集
経食道心エコー検査:大動脈の拡張と弁の解剖をより詳細に描出できる
心電図:左房拡大、およびST低下を伴うT波逆転を認める
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ポイント5:大動脈弁閉鎖不全症症状
慢性大動脈弁閉鎖不全症の症状
弁の閉鎖不全が起こっていても、しばらくは無症状の状態が続きます。
左心室は拡大しますが、心臓自体がその変化に順応しようとするからです。
しかし、継続する負荷に耐えきれなくなると、左心不全の症状が出てきます。
労作時(階段を上ったり運動)の息切れや動悸
疲れやすくなり、安静時や夜間の呼吸困難
起坐呼吸、不整脈
拡張期の血圧が大きく低下し失神
冠動脈の血流量の低下や、心肥大による心筋の酸素需要の増大から、狭心症
急性大動脈弁閉鎖不全症の症状
急激な左心不全
左心室内の圧力が急激に上昇し、肺うっ血を起こします。
肺水腫を引き起こします。
全身に血液を送り出す力が弱まり、息切れ、呼吸困難、動悸、むくみなどが起こり、疲労感を覚えます。
ポイント6:重症度分類と評価
セラーズ(Sellers)分類
心臓カテーテル検査の結果から判定します。
Ⅰ度
左心室内に逆流ジェットはあるが、左心室全体に広がってはなく、一過性である。
Ⅱ度
左心室内に逆流ジェットはあるが、左心室全体の造影濃度は大動脈のそれより薄い。
Ⅲ度
逆流ジェットが見られない。左心室全体の造影濃度は大動脈のそれと同じ程度である。
Ⅳ度
逆流ジェットが見られない。左心室全体の造影濃度が大動脈のそれより濃い。
ポイント7:大動脈弁閉鎖不全症原因
大動脈弁自体の弁の障害
動脈硬化(加齢、高血圧、高脂血症、糖尿病などで進みます)
リウマチ熱
感染性心内膜炎
細菌(主にグラム陽性細菌)が引き起こす心臓組織の炎症。
なんらかの原因で傷ついた心内膜にフィブリン(血液の凝固にかかわる繊維状タンパク質)と血小板が沈着し、そこに細菌が付着し疣腫を形成します。
これが、弁に穴を開けたり、弁を引っ張る腱索を断裂させたりします。
先天性(二尖弁など)
膠原病
皮膚・筋肉・関節・血管・骨など全身の臓器でコラーゲンに慢性的な炎症がひろがり機能障害を引き起こす一連の病気の総称です。
自己免疫疾患、リウマチ性疾患、結合組織疾患が重なった位置にあるとされています。
大動脈弁で起こると弁を壊します。
梅毒
梅毒トレポネーマという細菌によって引き起こされる性感染症で、この細菌が大動脈弁にとりつくと弁を壊します。
大動脈の障害
動脈硬化による大動脈の拡大
先天性(弁輪拡張症、やマルファン症候群など)
急性大動脈解離
解離性大動脈瘤
高安動脈炎
大動脈基部の異常
大動脈弁輪拡張症
動脈硬化などで大動脈が拡張するにつれ、大動脈弁を囲む弁輪も一緒に拡張します。
弁輪が拡張すると、大動脈弁がしっかりとは閉まらなくなります。
ポイント8:大動脈弁閉鎖不全症治療
急性重症大動脈弁閉鎖不全症
内科的治療が無効な場合は早期の手術が優先されます。
慢性大動脈弁閉鎖不全症
弁の逆流を元通りにする薬はなく、主に心臓の負担を和らげる薬による内科的治療を行います。
血圧を下げる
血圧が高いと弁の破壊も進み、血液の逆流量も増えるので、病状が進行し、心不全を起こす時期が早まります。
降圧剤
アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
降圧作用だけでなく、心臓を保護する働きももっています。
カルシウム拮抗薬
利尿薬
やジギタリス製剤
※症状の出現や心臓の収縮力が低下してきた場合には、外科手術がすすめられます。
感染性心内膜炎の予防
心臓の弁などに菌が感染、増殖する病気で、心不全、塞栓症および脳出血などの合併症により死亡する危険性のあります。
弁の逆流があると心臓が傷つきやすく、菌に感染しやすいといわれています。
抜歯や出血を伴う処置は一時的に血液中に菌が入る可能性があり、大動脈弁閉鎖不全症の方は、処置前に感染性心内膜炎を予防するため、抗生物質を服用することがあります。
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ネフローゼ症候群について、入院の経緯、療養生活の不安などをお伝えしています。
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また、一度看護師をやめて、異業種で約10年働き再び看護師復帰をした経験もあります。
そんな経験が、看護師の方への仕事の参考になればと思っています。
看護師以外の方の悩み解消や日々をHappyに過ごす参考になればと思っています。