
こんにちは♡
ねふなです
今回は脳神経系
アセスメントを
お伝えします

看護知識:脳神経系アセスメント

今回は脳神経系
アセスメントについて
記載しています
1.脳神経系アセスメント

1.生命維持機能(間脳・脳幹の機能)
2.髄膜刺激症状の有無
3.脳神経の機能
4.運動機能(運動麻痺・運動障害)
5.知覚機能(表在知覚・深部知覚)
6.反射
(深部反射・表在反射・自律神経反射)
7.小脳機能(運動失調・小脳性構音障害)
8.認知・記憶・言語・思考・感情などの
高次機能(主に大脳)
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2.生命維持機能の評価

意識状態のアセスメント
覚醒・意識の中枢である脳幹の評価は
GCS・JCSを使用する
GCS8点以下、JCS100以下は緊急対応が
必要となる
GCS、JCSについて詳しくはこちら
バイタルサインの変化
呼吸への影響
頭蓋内圧亢進や脳浮腫などにより
脳ヘルニアが進行すると呼吸調整機能を
司る脳幹(間脳・中脳・延髄・橋)や
大脳全体が影響を受け特有の
呼吸パターンを示す
呼吸数・深さ・リズム・パターンを
観察し異常の早期発見に努める
血圧への影響(クッシング現象)
頭蓋内圧が上昇すると頭蓋内圧
末梢血管抵抗が増大し
脳血液循環が障害される
そのため脳血流を維持しようと
全身血圧を上昇させる
クッシング現象
脳ヘルニアの直前状態であり
脳幹下部の脳圧亢進による
循環障害に対する生体の代償反応
クッシング徴候
高血圧、徐脈、脈圧の拡大
体温の変調
脳幹の視床下部には
体温調節中枢がある障害されると
昏睡状態とともに
中枢性過高熱が生じる
中枢性過高熱
末梢血管が収縮し体中心に血液が集まる
体温が40℃近くまで上昇し
末梢血管が虚脱する
3.呼吸異常と障害部位

呼吸異常と障害部位
異常呼吸 | 障害部位 |
チェーンストークス | 両側大脳皮質下 間脳 |
中枢神経性過換気 | 中脳下部から橋上部 |
群発性呼吸 | 橋下部から延髄上部 |
失調性呼吸 | 延髄 |
下顎呼吸 | 延髄 |
ビオー呼吸 | 延髄 |


4.髄膜刺激症状の有無

髄膜刺激症状
後部硬直
ケルニッヒ徴候
ブルジンスキー徴候など
クモ膜下出血や髄膜炎などに伴う
クモ膜下腔の炎症・出血・圧上昇に
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5.瞳孔の評価

瞳孔の評価
視神経評価は大脳障害の局所診断に重要
第Ⅱ脳神経
視力・視野・眼底・同行反射を支配
第Ⅲ、Ⅳ、Ⅵ脳神経
眼球運動を支配
視神経の特徴
中脳下部の視交叉で交叉する
視交叉より前方で障害されれば
一側の視力が消失する
視野欠損
視神経が障害されると、視野の一部が
欠ける
脳の障害部位がわかる
半盲
視野の半分が見えなくなる状態
同名半盲
両目で同じ側の視野が欠ける状態
視交叉より後ろ(視索〜後頭葉の視覚野)の障害で起こる
眼球運動障害
障害された脳の部位を推測する手がかり
眼球運動をつかさどる神経や
それらを制御する脳幹の特定領域が
障害されると、特徴的な動きの異常や
瞳孔の変化が現れる
瞳孔
大きさや左右差、光への反応は脳幹機能や動眼神経の状態を直接反映する
神経症状の評価や緊急性の判断に
おいて非常に重要
6.眼球位置が示す脳の障害部位

眼球位置
共同偏視
両目が同じ方向または対称性を持ち
偏って位置する状態
病側共同偏視
被殻出血・脳梗塞・内径動脈閉塞などに
よる前頭葉の広範囲な障害
健側共同偏視
橋出血などの橋周囲の障害
下方共同偏視
視床出血時の特徴的な徴候
外転神経麻痺
麻痺側は、前を見ようとすると内側に
向いてしまう状態
右外神経麻痺
急激な頭蓋内圧亢進症のサイン
7.瞳孔の大きさと脳の障害部位

瞳孔機序
縮瞳
副交感神経(動眼神経→瞳孔括約筋)
散瞳
交感神経(中枢→頸部交感神経節
→瞳孔散大筋)
副交感神経と交換神経のバランスが崩れ
⇒瞳孔不同が出る
瞳孔異常 | 障害部位 |
右瞳孔散大 | 右動眼神経麻痺 右中脳障害 |
左縮瞳 | 右延髄病変 右視床下部病変 (ホルネオ症候群) |
両側瞳孔散大 | 両側性中脳障害 低酸素脳症 |
両側縮瞳 | 橋部の障害 |
8.対光反射が示す脳の障害部位

対光反射機序
光→網膜→視神経(Ⅱ)→視交叉→視索
→中脳の視蓋前域(pretectal area)
→Edinger–Westphal核
(動眼神経核の副核)
→動眼神経(Ⅲ)→ 瞳孔括約筋
→両眼で縮瞳(直接反射・間接反射)
※中脳より上が障害されても
対光反射は保たれることが多い
瞳孔所見・対光反射 | 障害部位 | 原因 |
片側散瞳 (大きい) 対光反射なし | 同側動眼神経 中脳動眼神経核 | テント切痕 ヘルニア 脳動脈瘤(後交通動脈瘤) |
両側散瞳 対光反射なし | 両側中脳 重度低酸素 終末期 | 心停止後 脳障害 脳幹死 |
片側縮瞳 (小さい) 対光反射あり | 同側交感神経路障害 | ホルネル 症候群 (脳幹外側梗塞 頸部腫瘍) |
両側縮瞳 (針のよう) 対光反射あり | 橋 | 橋出血 橋梗塞 |
瞳孔不同 (軽度) 対光反射あり | Ⅲ神経圧迫 生理的不同瞳 | 脳腫瘍初期 頭蓋内圧上昇初期 |
9.運動機能の評価

運動機能評価
姿勢や肢位
不随意運動の有無と委縮部位
筋委縮の有無と委縮部位
歩行の状態
発語の状態
麻痺の有無
筋トーヌスの状態
筋力
障害部位により出現する麻痺は異なる
軽度の運動麻痺はバレー徴候で評価
筋力は握力測定などを行って評価
10.麻痺と障害部位

単麻痺
片側の上肢もしくは下肢のいずれかに
限局した麻痺がある
単一の末梢神経の障害
片麻痺
身体の左右どちらかに麻痺がある
大脳皮質から延髄~頚髄上部
対麻痺
両下肢の、対称性の運動麻痺がある
椎体路障害か胸髄以下の脊髄障害
四肢麻痺
両側四肢すべでに麻痺がある
脳幹部・高位頚髄を超える
11.知覚機能の評価

知覚機能評価
表在知覚
(触覚・痛覚など)評価
深部知覚
(ロンベルグ徴候など)評価
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12.反射の評価

反射
刺激に対する不随意運動
刺激に対する反射の経路は決まっている
生理的反射
深部反射
逃避反射 腱伸張反射
表在反射
角膜反射 咽頭反射 腹壁反射
睾丸挙上反射 肛門反射
自律神経反射
膀胱反射 直腸反射 咳反射
唾液分泌反射
病的反射
バビンスキー反射
トレムナー反射
ワルテンベルグ反射
ホフマン反射
13.小脳機能の評価

小脳機能評価
小脳が障害されると運動失調が出現
指鼻指試験などを行い評価
14.高次機能障害の評価

高次機能障害
脳の特定部位が損傷されることで
知的な活動や複雑な行動・認知が
うまくできなくなる状態
単純な運動麻痺や感覚障害とは異なり
記憶・注意・言語・判断・感情のコ
ントロールなど、より高度な脳機能に
影響が出る
原因
脳外傷(交通事故、転倒など)
脳血管障害(脳梗塞、脳出血)
脳炎・低酸素脳症
脳腫瘍や脳手術後
症状
記憶障害
新しいことを覚えられない
過去の出来事を思い出せない
例:同じ質問を何度もする
注意障害
集中が続かない
複数のことを同時に処理できない
例:話をしていてもすぐ気が散る
遂行機能障害
計画・段取り・判断ができない
例:買い物の順番を考えられない
目的を忘れる
社会的行動障害
感情のコントロールや対人関係が
うまくいかない
例:怒りやすくなる
場にそぐわない発言をする
評価
1.病歴・背景の確認
発症原因(脳外傷、脳卒中など)
発症からの経過、既往歴、生活状況
2.症状のスクリーニング
家族や本人からの聞き取り
行動観察(会話・行動の特徴)
3.標準化された神経心理検査
記憶、注意、遂行機能、言語
社会的行動などの測定
4.日常生活・社会生活への影響評価
家庭での生活、仕事や学業
対人関係など
5.総合的アセスメント
医師、臨床心理士、作業療法士
言語聴覚士、看護師などチーム評価
評価項目 | 検査 | 評価ポイント |
記憶 | 三宅式記銘力検査 WMS (ウェクスラー記憶検査) | 即時記憶 遅延再生 |
注意 | TMT (Trail Making Test) CAT (注意機能スクリーニング検査) | 集中力 持続力 切り替え |
遂行機能 | WCST (ウィスコンシンカード分類) FAB (前頭葉機能検査) | 計画 柔軟性 問題解決 |
言語 | WAB (失語症検査) SLTA (標準失語症検査) | 理解 表出 復唱 |
社会的行動 | 行動観察 家族からの聞き取り | 感情コントロール 社会性 |
空間認知 | 線分二等分試験 BIT (行動性無視検査) | 半側空間無視の有無 |
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前回記事はこちら

脳神経系
アセスメントを
お伝えしました
前回記事も
ごらんくださいね♡

最後までご覧いただき
ありがとうございます
ねふなHappyワークライフ
バランスは現役看護師が
ネフローゼ症候群発症
職場復帰を目指して
奮闘する日々を綴っています
入院した経緯や療養生活で
感じた不安など実体験を
同じ症状の方や看護や
仕事に悩む方の参考に
なればと思っています
約10年間異業種で働いた後
看護師に復帰した経験もあります
看護師以外の方にも仕事や
日常生活をHappyにする
情報を提供できればと思っています
