看護師復帰ブログでは現役看護師がネフローゼ症候群に罹患し、職場復帰を目指して奮闘する日々を綴っています。
その一つとして、今まで培ってきた看護の知識を整理しアウトプットしています。
循環器専門病院勤務し、学んで、悩んだ心不全!心不全も病態や時期により治療選択が変わってきます。
そんな心不全の治療を基本をまとめて記載しています。
「伸展ステージ別に理解する心不全看護」はこちら↓↓
治療ポイント1
心不全の治療
急性心不全と慢性心不全では治療方法、目的が異なります。
急性心不全での治療目的
患者が自覚している諸症状の緩和、臓器鬱血状態を改善すること
⇒救命を図り、容態を安定させること
慢性心不全での治療目的
血行動態を改善
⇒今後の生活の質(QOL)を向上させること
急性心不全
代償機構の範囲を超える急激な心機能の低下により血行動態に変動をきたした状態で呼吸困難やショック症状を呈します。
慢性心不全
長期的なポンプ機能の代償により代償機構が破綻した状態で、増大した体液による呼吸困難や運動低下などの症状を呈します。
いずれにしても、原因となっている疾患に対する治療が必要です。
急性心筋梗塞が原因であれば、カテーテル治療やバイパス手術を行ない冠動脈の閉塞状況を改善
弁膜症が原因なら、弁置換術や弁形成術などの手術を行ない弁の不良を改善
不整脈が原因なら、それに対する薬物治療やアブレーション術、ペースメーカ術治療を行なう
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治療ポイント2
急性心不全の治療
急性心不全患者の多くは、血圧の低下や腎不全、意識障害、ときにはショックも見られます。
治療は心負荷の軽減と心拍出量の増大による血行動態の正常化が基本となります。
薬物治療
利尿薬(鬱血改善)
血管拡張薬(後負荷軽減)
強心薬(心筋の収縮力を強める)
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補助循環
機械的に心臓のポンプ機能を補助・代行する
補助循環(intraaortic balloon pumping:IABP大動脈バルーンパンピング法)
(percutaneous cardio pulmonary support:PCPS経皮的心肺補助装置)
補助循環についてはこちら
その他
心機能が低下した心臓は薬物へ十分に反応しない場合も多くそのためケアを行う際は体動による無駄な酸素消費量需要を増加させないようを体動を最小限にします。
肺水腫は突然発症することも多く患者は呼吸困難に強い不安を覚えます。患者へは処置に対する十分な説明を行い不安の軽減に努めます。
治療ポイント3
慢性心不全の治療
生活管理と薬物治療です。
生活管理
塩分制限
うっ血を改善を目的とする 軽症6~8g/日、重症4~6g/日
水分制限
うっ血を改善を目的とする
運動療法
過度な身体活動は心不全を悪化させますが、過剰な運動制限も心臓の循環調整力を低下させます。
身体状況に応じた運動療法が必要です。
薬物治療
心臓のポンプ機能の低下に伴って生じている過剰な代償反応を抑えることが目的
ベータ遮断薬
心臓を働かせようとする交感神経の働きを抑える作用があります。
心臓の動きを少し休めることにより長期予後が良好となります。
利尿薬
体内の水分量を減らし浮腫みや肺の鬱血を軽減し症状緩和を図ります。
体液量の減少させ心臓の負荷が軽減されます。
抗アルドステロン薬
アルドステロンの働きを抑えることで、利尿作用、降圧作用があります。
他の利尿薬との違いとして、カリウムを体に保つ作用があります。
血管拡張薬
心臓にかかる負担を軽くするアンジオテンシン変換酵素阻害薬
強心薬(ジギタリス他)
頻脈や息切れを軽減する対症療法、不整脈死を避けるために、限定的に使われます。
しかし、心不全の予後を改善しないため現在ではあまり使用されません。
※カテコールアミン類やホスホジエステラーゼ阻害薬などの強心薬は、急性心不全では用いられますが、慢性心不全には使用されません。
もっと詳しく知りたい方には
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治療ポイント4
非薬物療法
薬物難治性の場合には、心臓の動きをペースメーカで統一させる両心室ペーシングや命に関わる不整脈を止める埋め込み型除細動器なども選択されます。
内科的・外科的治療を尽くしてもなお強い心不全症状が残る場合に心臓移植を検討します。
条件を満たした場合は心臓移植待機となり一時的に補助人工心臓を使うこともあります。
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