血圧
血圧(blood pressure)
心室の収縮によって駆出した
血液が動脈を押し広げようとする圧力
動脈圧とも言われる
大動脈の内圧は大動脈弁が開いて
左心室からの血液の駆出が始まると急速に上昇
大動脈弁が閉じる時点で変曲点
(dicrotic notch)を形成したのち
徐々に圧力が低下していきます
これは大動脈の起始部内圧変化であり
末梢の細い動脈にいくについれ
その圧は低下し時間的にも
左心室の収縮時相より遅れます
収縮期血圧
心臓が収縮して血液を全身に
送り出すときに血管の壁にかかる圧力
一般的に「上の血圧、最高血圧」と呼ばれるます
拡張期血圧
心臓が収縮し血液を送り出したあと
血液を再び送ろうと心臓が拡張した際に血管壁にかかる圧力
一般的に「下の血圧、最低血圧」と呼ばれるます
脈圧
収縮期血圧と拡張期血圧の差のこと
脈圧は大動脈硬化の程度を反映します
血圧正常値
収縮期血圧:140mmHg未満
拡張期血圧:90mmHg未満(WHO定義)
脈圧:40~60mmHg
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ポイント①血圧を規定する因子
血流量
心臓から拍出される血液の量
心拍出量と循環血液量によって決定される
心拍出量は心拍数と心筋の収縮力で決定される
血管内の循環血液量が増せば血圧は上がり
出血や脱水などによって循環血液量が減少すれば血圧は下がる
血管抵抗
血管内を血流が流れる時の抵抗
拡張すれば血管抵抗は減少し血圧は低下する
収縮すれば血管抵抗は増加し血圧は上昇する
血管の拡張収縮の調整は交感神経系の他
レニン-アンジオテンシン系・カリクレイン-キニン系がある
血管そのものが硬くなると血流抵抗が増加し血圧は上昇する
動脈硬化による血圧上昇はこのためです
血液の粘性度も血流抵抗に影響する
P=血圧 V=血流量
R=血管抵抗 P=V×R
ポイント②血圧測定
間接的血圧測定法
外から動脈を圧迫して動脈圧の近似値を知る方法
上腕部で上腕動脈を周囲から圧迫して
肘窩部の動脈に聴診器を当て
血管音を聞きその時の圧力差を見る
測定方法
❶上腕部が着衣の袖に圧迫されていない事を確かめる
❷血圧計のマンシェットを上腕に巻く
マンシェットの位置
中央部が上腕動脈にかかる
マンシェット下縁が肘窩部の2~3㎝上に来る
上腕とマンシェットの隙間に指が1~2本挿入できる
❸血圧計の0点を患者の心臓の高さに合わせる
❹橈骨動脈を触れながらマンシェットのに
空気を送って膨らませると橈骨動脈が触れなくなる
(収縮期血圧の目安)
❺一旦マンシェットを脱気し肘窩の
上腕動脈に聴診器を当てながら
触診で得た収縮期血圧の値よりも
約20mmHg高いところまで圧を上げ
1秒に2~3mmの速度で圧を抜いていく
拍動音(コロトコフ音)が聞こえ始めた値を
収縮期圧音が聞こえなくなった値を拡張末期となる
直接的(観血的血圧測定法)
動脈内にカテーテルを挿入して
動脈内圧をトランスジューサーにより
電気信号に変えて表示する方法
合併症
❶回路の接続不良による大量出血
❷血流不全による末梢部の壊死
❸刺入部局部からの出血、感染
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現役看護師がネフローゼ症候群発症
職場復帰を目指し奮闘する日々を綴っています
異業種約10年働き再び看護師復帰をした経験もあります
自分の経験や初めて入院にまで至った
ネフローゼ症候群について入院の経緯
療養生活の不安などをお伝えし少しでも
同じ症状の方の療養生活や看護や仕事の悩みの参考になればと思います