せん妄によってルートトラブルが
引き起こされたり転倒リスクが
高かったりすることが看護師で
働いている時も多く悩んでいました
せん妄を評価し対策をとっていくことが
2次的被害を抑える事にもつながります
今回は看護知識:せん妄評価ICDSCについて記載
せん妄評価
人工呼吸管理中にしばしば
不穏・せん妄を呈する患者がいます
せん妄は予後不良因子であることが明らかに
されていますがまだ病態生理は明確にされていません
患者の重症度や低酸素血症・感染症の有無など
準備因子・直接因子・促進因子との関連性が指摘されています
せん妄についてはこちら
ICDSC
ICDSC
(Intensive Care Delirium Screening Checklist)
クリティカルケア領域でせん妄をスクリーニング
するために作成された国際的に認められた方法
8つの項目に沿ってチェックして
点数化することでせん妄を評価します
これらは患者の協力を必要とせず
客観的な患者の状態や行動から評価ができます
8項目の合計が4点以上であればせん妄と判断します
点数化できるため重症度の評価として代用できる可能性があります
メリットと注意点
メリット
患者に直接質問や指示をする
必要がないため患者に負担をかけない
注意点
CAM-ICUは評価した時点でのせん妄の有無を
判断できるのに対してICDSCは過去8~12時間の
包括的な状態の評価である点は注意が必要
ICDSC方法
8~12時間の勤務帯で実施する
日常的な看護介入時の観察や診療録
申し送りなどの情報に基づき8項目それぞれに
ついて評価・明らかな徴候がある = 1ポイント
アセスメント不能・あるいは徴候がない= 0 ポイント
それぞれの項目のスコアを対応する空欄に
0または1で入力8項目の合計が4点以上であればせん妄と判断
※このスケールはそれぞれ 8 時間のシフトすべて
あるいは 24 時間以内の情報に基づき完成される
評価項目1
①意識レベルの変化
(A)反応がないか
(B)何らかの反応を得るために強い刺激を
必要とする場合は評価を妨げる重篤な意識障害を示す
もしほとんどの時間(A)昏睡あるいは
(B)昏迷状態である場合ダッシュ(ー)を入力しそれ以上評価を行わない
(C)傾眠あるいは反応までに軽度ないし中等度の
刺激が必要な場合は意識レベルの変化を示し1点である
(D)覚醒、あるいは容易に覚醒する睡眠状態は正常を意味し0 点である
(E)過覚醒は意識レベルの異常と捉え、1 点である
評価項目2
②注意力欠如
会話の理解や指示に従うことが困難
外からの刺激で容易に注意がそらされる
話題を変えることが困難
これらのうち何かがあれば1 点
評価項目3
③失見当識:時間
場所・人物の明らかな誤認
これらのうち何かがあれば1 点
「ほんとに不眠?ナースのためのせん妄対策」はこちら↓↓
評価項目4
④幻覚、妄想、精神障害
臨床症状として幻覚あるいは幻覚から引き
起こされていると思われる行動
(たとえば、空を掴むような動作)が明らかにある
現実検討能力の総合的な悪化
これらのうち何れかがあれば1点
評価項目5
⑤精神運動的な興奮あるいは遅滞
患者自身あるいはスタッフへの危険を予防するために
追加の鎮静薬あるいは身体抑制が必要となるような過活動
(たとえば、静脈ラインを抜く、スタッフをたたく)
活動の低下あるいは臨床上明らかな精神運動遅滞(遅くなる)
これらのうち何れかがあれば1 点。
評価項目6
⑥不適切な会話あるいは情緒
不適切な整理されていないあるいは一貫性のない会話
出来事や状況にそぐわない感情の表出
これらのうち何れかがあれば1 点
評価項目7
⑦睡眠/覚醒サイクルの障害
4時間以下の睡眠あるいは頻回な夜間覚醒
(医療スタッ フや大きな音で起きた場合の覚醒を含まない)
ほとんど1日中眠っている
これらのうち何れかがあれば1 点
評価項目8
⑧症状の変動
上記の徴候あるいは症状が24 時間のなかで変化する
(たとえば、その勤務帯から別の勤務帯で異なる) 場合は1点
せん妄対策
①理学療法
人工呼吸管理中であっても早期から
リハビリテーションを施行するとせん妄の発生を
抑制できることが示されています
人工呼吸管理中から早期離脱
早期離床に加えて予後改善効果も期待されます
②人工呼吸器離脱評価(SBT)
全身状態が安定していれば鎮静を切るか
浅くして一日一回人工呼吸器離脱の評価(SBT)を行います
SBTについてはこちら
対策を組み合わせて「ABCDEバンドル」として行うことが推奨される
A:毎日患者を覚醒させよう
B:呼吸(毎日人工呼吸器離脱を試みよう
C:AとBの組み合わせ(毎日の鎮静中断と離脱トライアル)
D:せん妄のモニタリング
E:運動療法と早期離床
もっと詳しく知りたい方には
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