看護プチ情報看護知識:播種性血管内凝固症候群

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看護プチ情報看護知識:播種性血管内凝固症候群

看護師復帰ブログではプロフィールでもお伝えしているように約10年看護師として
勤務後一旦異業種で働き再び看護師復帰をした経験があります。
今回ネフローゼ症候群に罹患し、職場復帰を目指しています。
その時々の不安や悩み、また参考になったことをお伝えしていきます。
看護の知識もちょっとずつまとめてアウトプットしていきます。
初めて入院にまで至った病気、ネフローゼ症候群について、入院の経緯をお伝えし
少しでも同じ症状の方がの療養生活の参考になればと思います。
今回は看護知識:播種性血管内凝固症候群DICについて記載しています。

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血管内播種性凝固症候群

DIC(disseminated intravascular coagulation:DIC)
サイトカインや活性化好中球の作用による血管内皮細胞障害により生体内で凝固系が
過度に活性化され、全身の主として最小血管内に血栓が持続的に多発する症候群で
様々な重篤な基礎疾患に伴って生じる合併症です。
DICが生じると微小血栓に基づく種々の臓器症状とともに血小板、凝固因子、専用因子が
消費性に低下し、出血傾向をきたすことになります。
血栓が多発しているにも関わらず
出血しやすいという一見相反する二つの面を有するのが特徴です。
発症頻度の高い基礎疾患は感染症、固形癌、造血器腫瘍でこれらの3つの基礎疾患の
合計は発生全体の70%を占めると推測されています。
基礎疾患全体で死亡率が高いものは心疾患、固形癌、消化器疾患、感染症です。
早期発見・早期治療が予後を左右する為DICの発症頻度が高い基礎疾患を理解することで
DICに対して早期から注意を向けることが可能です。

臨床症状

凝固亢進の程度は変わらずも、基礎疾患によって線溶系の活性化の程度が変わります。
そのためDICは「線溶抑制型」か「線溶亢進型」かに分類されます。
線溶抑制型
重症感染症、敗血症、ショックなど、臓器不全が顕著になる
線溶亢進型
内科領域の急性白血病や産科領域の胎盤早期剥離など、出血症状が顕著になる
血小板の低下が高度でなくても致命的出血に至ることがある
早期診断に基づく早期治療が重要です。そのため、検査データーのチェックとともに
臨床徴候の観察が非常に重要となります。
特徴的な症状
出血、皮下鬱血斑、注射、採血部位からの異常出血、下血、吐血、創部からの大量出血
脳出血、肺出血など
※出血が止まらない場合は、まずDIC以外の病態を鑑別する必要があります。
線溶抑制型、専用亢進型のいずれも、凝固能は活性化されるため、DICでは血栓が多発します。
多発した微小血栓は溶解されにくく、微小循環障害を伴う臓器障害が出現します。
臓器症状には乏尿、血尿などの腎症状、精神神経症状、呼吸困難などがあり
循環不全に伴い多臓器障害へも移行していきます。

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多臓器障害

感染症や敗血症などの血管内皮細胞が障害されると、炎症反応を引き起こすため
アラキドン酸カスケードが活性化され、サイトカインの産生、好中球活性化が生じます。
活性化された好中球は重要臓器へ集積し、血管内皮細胞を障害することで血管透過性を亢進させます。
その結果血漿成分が血管外へ濾出すると二次的に血液の粘度が上昇し微小血管の循環障害が生じます。
サイトカインは肝臓でのアンチトロンビン・プロテインCの産出低下やPAI-1の増加をもたらします。その結果抗線溶作用が亢進し凝固系の抑制が正常に働かず間接的にフィブリン形成を促進させ血管内微小血栓が多発します。
それらの機序により複数の臓器で微小循環障害が生じた結果臓器血流が低下し、多臓器障害が発症します。

診断基準

病態の変化や治療にともない経時的な変化を捉えるために複数の検査所見を点数化し
評価するスコアリングシステムが用いられます。
厚生労働省DIC診断基準改定版
国際血栓止血学会DIC診断基準
日本救急医学会急性期DIC診断基準

DIC診断基準

治療①

基礎疾患の治療
第一は基礎疾患を除去すること、DICの病態改善による合併症の防止が目標
DICを合併する基礎病態は重篤な事が多く病態に応じた戦略が重要です。
補充療法
血小板数の低下(3万/㎕未満)、血漿フェブリノゲン低下(100mg/dl未満)では
濃厚血小板輸血(10~20U/日)、新鮮凍結血漿(3~5u /日)補充を行ないます。
全身管理
感染症管理、バイタルサインモニタリング、補液、電解質バランス・血圧の維持
臓器障害・合併症への予防治療などの管理を行います。

治療②

抗凝固療法
第一選択としてヘパリンを使用
しかしヘパリン類の抗凝固作用はATⅢ活性に依存しているため、肝不全などで出血の
副作用が高い時や、炎症の強いSIRSでATⅢ活性が低下し、ヘパリン類の効果が
減じる時にはヘパリンの使用が困難になります。
その際は出血の副作用の少ないダナバロイドナトリウムなどが使用されます。
上記のほか生理的凝固物質である、アンチトロンビン製剤、蛋白分解酵素阻害薬である
ガベキサート(エフオーワイ)やナファモスタット(フサン)が併用されます。
活性化さえる強い抗凝固作用を示すプロテインCが注目されていたが、日本では適応が
限られていたためプロテインCを活性化される作用を有するリコモジュリンが開発され
使用されるようになっています。
リコモジュリンは抗炎症、抗凝固、抗線溶作用を持ちRCTで優位にDIC離脱率を増加させ
出血の副作用を減少させるとの報告もあります。
リコモジュリンには抗凝固作用・抗炎症作用をモニターできない、高価であるデメリットもあります。

観察・検査データー

血栓塞栓症の観察項目
血行動態、呼吸器症状、精神神経症状、腎症状
出血傾向の症状の観察項目
皮下出血、皮膚の色調、紫斑、点状出血など
※皮下出血の好発部位:臀部、踵、背中など
検査データーの確認
検査値と症状が一致しない場合もあるため必ず検査値と肉眼的臨床症状を観察
血小板の減少は病状によって変化するため経時的変化にみていく必要があります。

出血予防のケア

出血傾向が確認されたら出血予防のケアが重要
・皮膚粘膜の外的な刺激を避ける
・粘着性の高いテープ使用をさける
・打撲に注意する、ベッド柵などに手足が触れないようにする
・口腔ケアは柔らかい歯ブラシを使用しそれでも出血する時は清拭か洗浄にとどめる
・髭剃り時は安全剃刀を避け電気剃刀を使用する
・静脈採血、骨髄穿刺、点滴抜去時などは5分以上圧迫止血し、止血の確認をする
・筋肉注射は避ける
・浣腸、座薬、ファイバーなど直腸粘膜への刺激になるようなことは避ける
また便秘をさけるため、指示された下剤を使用する
・血圧測定時はカフによる強い圧迫をさけ自動血圧計使用時は低い圧設定にする
・血小板輸血時は侵襲手技の直前に輸血し侵襲時に血小板が高値になるようにする
・気管、口腔、鼻腔などの吸引は200mmHg以下で必要最小限に行う
・気管吸引時の吸引チューブを上下に動かす手技は、気管分岐部を突き出血させる可能性があるので避ける
・中心静脈、末梢点滴ルートなどは余裕を持たせ固定し、体位変換などにより点滴ルート
が引っ張られないようにする。

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