看護プチ情報看護知識:輸血療法

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看護プチ情報:輸血療法

看護師復帰ブログではプロフィールでもお伝えしているように約10年看護師として
勤務後一旦異業種で働き再び看護師復帰をした経験があります。
今回ネフローゼ症候群に罹患し、職場復帰を目指しています。
その時々の不安や悩み、また参考になったことをお伝えしていきます。

看護の知識もちょっとずつまとめてアウトプットしていきます。
初めて入院にまで至った病気、ネフローゼ症候群について、入院の経緯をお伝えし
少しでも同じ症状の方がの療養生活の参考になればと思います。
今回は看護知識:輸血療法について記載しています。

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国内ガイドライン

輸血療法の実施に関する指針
血液中の赤血球などの細胞成分や凝固因子などの蛋白質成分が、量的に減少又は機能的に低下したときに、その成分を補充することで臨床症状の改善を図ることにある
循環血液量の減少に対しては、輸液療法が第一選択ではなく直ちに輸血を行うことは推奨されていません。
救急、蘇生時などの大量出血やショック時を除けば、輸血製剤をどの程度用いるかは検査結果をもとに適切に判断する必要があります。

FFP(fresh frozen plasma:新鮮凍結血漿)

前述の指針にも「新鮮凍結血漿の投与は、他に安全で効果的な血漿分画製剤あるいは代替え医薬品がない場合にのみ適応となる。投与に当たっては、投与前にプロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を測定し、大量出血ではフィブリノゲン値も測定する」とあります。
FFPは凝固因子の低下および欠乏を確認してから使用することを推奨されています。
正常な血球分画の症例では出血に対するFFPや血小板輸血のタイミングは後になるという事です。
重症外傷による大量出血時や、人工心肺を使用する心臓血管外科術後などでは、推定する出血量がそれほど多量でなくても、消耗性のDICや人工心肺による影響から、著しい出血傾向を呈し、大量のFFPを必要とします。
特に消費性のフィブリノゲン低下は、出血傾向が持続する場合もあるので、FFPとフィブリノゲン製剤を併用します。
抗凝固療法としてワーファリンを内服している症例で、ビタミンKのみでPTの回復が不十分な場合(INR2.0異常又はPT%<30%)にFFP補充を考慮します。

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アルブミン製剤

血漿の膠質浸透圧の維持において最も重要となります。出血に対しても、循環血液量が不足した場合に補充する製剤として重要です。
循環血液量が50%以上喪失すると、血清アルブミン値は正常の60%以下(3.0g/dL以下)となります。
膠質浸透圧の維持のため、アルブミン製剤を使用します。
この場合、ボリューム効果を狙い5%等張アルブミン製剤を選択します。
人工膠質液が使用しにくい腎機能低下症例、重症熱傷、急性膵炎、10kg未満の小児などでは等張アルブミンを早期から使用することが推奨されます。
肝障害、低蛋白血症に伴う腹水、ネフローゼ症候群に伴う肺水腫などでは、20%または25%の高張アルブミンが用いられます。

血小板製剤

出血による喪失に対する血小板投与は出血量が循環血液量の150%に達した場合に考慮します。しかし、実際には出血傾向と血小板数を見ながら投与するタイミングを図ります。
血小板数が比較的保たれていても、抗血小板薬の内服や人工心肺後、自己抗体などにより血小板機能が低下している場合は輸血の適応となります。
ただし、血小板製剤は長期の保管ができない為、発注のタイミングが非常に重要です。

輸血の手順

患者の状態をアセスメント
活動性の出血を認めるか?貧血の程度は?バイタルサインは落ち着いているか?
出血傾向はあるか?輸血の緊急性はあるか?
輸血の準備
同意書の確認 輸血ルートの確保 輸血部門と連絡 輸血製剤の血型確認 FFP溶解準備
輸血実施
急速輸血システム(加圧バックや輸液ポンプなど)輸血開始時副作用の確認
輸血副作用:アレルギー症状、呼吸不全、電解質異常
輸血実施の検査・アセスメント
循環血液量の評価
輸血中・輸血後のHb値、血小板数
凝固検査
不規則抗体検査
感染症検査

輸血検査

①ABO血液型検査
血球の型(オモテ検査)と血清の型(ウラ検査)の一致をみる
不一致の場合は血液型を判定せず再検する
②RhD血液型検査
RhD型違いでは重篤な溶血を引き起こす
日本でのRhD陰性率は0.5%以下
③不規則抗体スクリーニング
ABO血液型における抗A・抗B抗体(規則抗体)以外にも赤血球抗原に対する抗体(不規則抗体)がある(献血者の0.2~0.3%)
妊婦では0.5%、受血者では2~3%の陽性率
⇒妊婦や輸血の既往で感作され陽性率が上昇する
④交差適合試験
輸血前に供血者の血球と受血者の血清の反応(主試験)、および供血者の血清と受血者の血球の反応(副試験)を見て、輸血可能か判定する
検査しえない抗体をチェックして副作用を回避する

副作用①

①輸血後肝炎
現在ウィルスの検出には抗体検査と拡散増幅検査が行われています。
拡散増幅検査は抗体が陽性になる以前の時期にも対応でき検出度が高いです。
B型肝炎ウイルスの感染は13~17例/年、C型肝炎ウイルスはほぼ0です。
②HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
1997年に輸血によるHIV感染が報告されました。その後HIVに対する拡散増幅検査が導入され、C型肝炎ウイルス同様、感染率はほぼゼロとなっています。
③細菌感染
血小板製剤で0.04%(セラチアなど)、赤血球製剤で0.01%(エルシニアなど)による汚染が報告されています。
外観が黒色変化しているRCC(red cell concentrate:濃厚赤血球)には注意が必要です。
④溶血性副作用(異型輸血)
抗体の結合により補体が活性化、赤血球が破壊されるもので死亡率20%と予後不良です。
治療としては交換輸血(100ml以上入ったら20単位を目安に)、ヘパリン化、DIC治療、腎不全対策の輸液療法などが行われます。
⑤遅発性溶血性副作用
不規則抗体による反応で、輸血後3~24時間で出現します。
不規則抗体で感作された赤血球が脾臓で貧食され溶血反応を呈するものです。
⑥非溶血性発熱性輸血反応
輸血中~輸血後に1℃以上の体温上昇を認めるもので発生率は約1%です。
発熱は一過性であることが多いですが、アレルギー反応や溶血反応、細菌感染との鑑別が重要です。

副作用②

⑦アレルギー反応・アナフィラキシー反応
❶アレルギー反応
輸血後数分~30分で蕁麻疹・皮膚紅潮が生じるものです。
輸血症例の約1%、全輸血副作用の約34%と頻度の高い副作用です。
FFPや血小板製剤で多く、抗ヒスタミン薬や協力ネオミノファーゲンが有効です。
アレルギー反応を認めた場合は、その時に使用している輸血製剤を中止し輸血ルートごと新しいものに交換します。
❷アナフィラキシー反応
輸血直後に呼吸困難・胸痛・血圧低下などの重篤な症状を呈するものです。
IgE抗体を介した即時的反応と考えられています。
頻度も比較的高く、輸血全副作用の約26%を閉めます。
アナフィラキシー反応を認めた場合は、直ちに輸血を中止しアドレナリンやステロイドの投与を行い厳重に経過を観察します。
⑧輸血後移植片対宿主病
輸血製剤中の免疫細胞が宿主を攻撃してしまうものです。
多臓器不全症状を呈し、1~2週間で全身状態の著しい悪化を認めます。
輸血後移植片宿主病予防のために、15~50Gyの放射線照射を行って供血者のリンパ球を除去しています。
⑨輸血関連急性肺障害
発生頻度は0.1%未満と低いものの、輸血後6時間以内に発症する重篤な肺障害です。
死亡率5~20%とされるが、ステロイドパルス療法が効果を示せば48~96時間で改善・消失するとされています。
肺水腫、肺梗塞、間質性肺炎、急性呼吸窮迫症候群との鑑別が必要です。

貧血への対応

貧血は脱水と異なり貧血そのものが緊急処置を要することは多くありません。
一般的に状態の安定している症例では、ヘモグロビン値7g/dLまでの貧血であれば、輸血を制限したほうが予後が良い可能性も示唆されています。
貧血に対しては輸血より先にその原因を検索し可及的に取り除くことが重要です。
積極的に赤血球輸血を行って貧血を補正したほうが良いのは、組織への酸素供給を十分に維持すべき疾患です。
冠動脈疾患や重度の低心機能症例、重篤な低酸素性呼吸不全、脳血管疾患などでは、Hb値を10g/dLに維持することが推奨されます。

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