看護プチ情報看護知識:体温管理

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看護プチ情報看護知識:体温管理

看護師復帰ブログではプロフィールでもお伝えしているように約10年看護師として
勤務後一旦異業種で働き再び看護師復帰をした経験があります。
今回ネフローゼ症候群に罹患し、職場復帰を目指しています。
その時々の不安や悩み、また参考になったことをお伝えしていきます。
看護の知識もちょっとずつまとめてアウトプットしていきます。
初めて入院にまで至った病気、ネフローゼ症候群について、入院の経緯をお伝えし
少しでも同じ症状の方がの療養生活の参考になればと思います。
今回は看護知識:体温管理について記載しています。

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体温調整

体温には核心温(生体中心部の温度)と外核温(末梢の温度)があります。
生体はエネルギーを使い体温を一定に維持しています。
生命活動に必要である種々の酵素の活動が効率的に行われる温度は37℃程度です。
体温調節中枢は視床下部にあり、目標とする体温(セットポイント)を37℃程度になるよう維持されてます。
視床下部はセットポイントを維持するために熱生産や熱放散を行うよう指令を出します。
体温調節は、熱生産や熱放散のバランスによって行われます。具体的には「行動性体温調節」と「自立性体温調節」があります。
行動性体温調節
暑い時には服を脱いで日陰に移動し、寒い時には服を重ねて日向に移動するなど、熱産生や熱放散の調整に有効な行動をとることを指します。
自立性体温調節
鳥肌が立って熱放散を防いだり、発汗時の気化熱によって皮膚から熱を放散したりして、体温調節が行われていることを指します。
体温上昇時に皮膚の血流が増えて皮膚の温度が上昇し、核心温が低下することも、自立性体温調節です。

高体温と発熱

高体温=発熱ではありません。
発熱は、感染・腫瘍・外傷などから生体が自ら身を守るために通常よりセットポイントを高温に変化させた結果、体温が上昇することです。
発熱は病原微生物や腫瘍細胞などの攻撃因子を弱めたり、免疫機能を高めたりするなど、生体防御としての意味があります。
高体温の原因は、頭部疾患で体温調整中枢が機能しない場合、熱中症などで熱生産が熱放散より多くなる場合(鬱熱)、甲状腺機能亢進で熱生産が増大する場合などがあります。
高体温=発熱と決めつけず、高体温の原因を考えることが重要です。
発熱時の熱生産と熱放散のバランス
体温がセットポイントに到達する前後で熱生産と熱放散のバランスが大きく変化します。
体温がセットポイントに到達する前は、熱生産>熱放散となります。そのため、悪寒・戦慄がおこり、鳥肌が立ち、末梢が冷たくなります。
体温がセットポイントに到達すると、熱生産と熱放散のバランスがとれます。そのため悪寒、戦慄、鳥肌が消失し末梢も暖かくなります。
発熱による生体への影響
高体温のうち発熱は、患者にとって生体防御の意味があります。しかし体温が高くなればなるほど生体防御としての利益が高まるわけではありません。
体温が42℃を超えることは稀ですが、42℃を超えると生体の蛋白変成を生じます。その他代謝亢進、酸素消費量増大、心拍出量増大といった変化も出現するため、39℃以上の高体温の継続は不利益となります。
特にシバリングは酸素消費量が最大で5倍にも増大するため、不利益な点が多いです。
発熱が患者にとって利益が不利益かを考えることが重要となります。

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低体温

術後の低体温は患者の状態を悪化させるリスクがあります。
全身麻酔では、末梢血管が拡張し、末梢への血流が増加します。そのため術直後は核心温が低下している可能性があります。麻酔から覚醒した時、悪寒を訴える患者が多いのはそのためです。
術後の低体温は熱産生のためシバリングをおこし、酸素消費量が増大します。低体温は、他にも手術創の感染・創傷治癒遅延、出血傾向、麻酔からの覚醒遅延、不整脈などのリスクが高まる可能性があります。

体温管理のポイント①

①高体温
「原因」と「生体にとって利益か不利益か」をアセスメントしケアを選択します。
感染徴候がないか観察し、感染源の検索がされていなければ検体採取の検討も必要です。
高体温が発熱であれば、むやみに解熱しないことが重要です。不適切な解熱は生体防御機能を妨げることになります。
不利益な点が多い高体温(39℃以上、シバリング、持続する高体温など)には解熱剤の投与を検討します。クーリングを行うと生体はさらに体温を上げようとしてエネルギー消費が増大し生体にとって不利益となる事があります。クーリングはあくまで患者が希望する場合に爽快感を目的として使用します。
高体温のうち、中枢性高体温(頭部疾患などで体温調節中枢が機能しないもの)は稀ですが、予後不良とされています。中枢性高体温の場合はクーリングの効果が期待できますが、解熱剤の効果はないとされています。意識状態の悪化により誤嚥やカテーテル感染の可能性もあるため、感染徴候が隠れていないか観察する必要があります。

体温管理のポイント②

②低体温
術後の低体温は血圧低下に注意し予防します。
術後の低体温は不利益な点が多いので保温に努めます。状態観察やライン整理のための肌の露出はさらに体温を低下させる可能性があるため、速やかに行う必要があります。
悪寒・戦慄のある場合は、加温が必要となる事もあります。ただし急激な体温上昇は、末梢血管の拡張による血圧低下を招く恐れがあるため、注意深い観察が必要です。

体温管理の実際①

①保温・加温の方法
❶室温調整
室内の温度・湿度を調整する
❷タオルで覆う
肩や頸部・頭部を覆うと効果がある
他の保温方法と併せて行う
❸アルミニウム製品の使用
患者の体を覆い、患者自身からの熱放散を防いで保温する方法で、保温効果が高い
ただし熱放散を抑えすぎると鬱熱を生じる事もあるため適宜観察が必要
❹電気毛布の使用
簡便に効果的に加温できる
低体温熱傷の可能性があるため、頻繁な観察が必要、特に循環不全の場合は注意
❺温水循環式ブランケット
ブランケット内を温水が還流する(加温、冷却のいずれの目的にも使用できる)
低温熱傷に注意が必要
過度の湿度は皮膚損傷のリスクとなるため、患者とブランケットの間には吸湿性のシーツを敷いて乾燥状態を保つ
褥瘡予防に注意が必要で特に循環不全、低栄養の患者はリスクが高い

体温管理の実際②

❻温風式加温装置
患者を覆うウォーミングカバーから、温められた空気を送風することで、保温・加温する装置
効果が高く、低体温のリスクも少ない
ただしエアーホースは全体に高温になるため、患者に直接触れないようする
ウォーミングカバーのエアスリットが、患者の体表面に来るように使用する
❼輸血・輸液の加温
大量輸液を行う患者、偶発性低体温の患者などに行われることが多い
輸液は投与前に保温庫で温める
輸液・輸血回路を温める加温装置もある

体温管理の実際③

③冷却の方法
❶室温管理
室内の温度・湿度を調整する
❷クーリング
アイスパックや小売枕を当てて冷却する方法
容易に使用できるが、適切に使用しないと患者に悪影響を与えることがある
唾液や体液によって汚染されることがあるため感染管理も重要
❸加温・冷却ブランケット
ブランケット内に冷水を灌流させて冷却する方法
脳低温療法や急速な冷却が必要な場合に使用される
❹輸液冷却
輸液を投与する前に保冷庫などで冷却する方法

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