現役看護師がネフローゼ症候群発症し
職場復帰を目指し奮闘する日々を綴っています
その一つとして今まで培ってきた
看護の知識を整理しアウトプットしています
重症心不全による同期不全と
心臓再同期療法について記載しています
心臓同期不全
(dyssnchrony)
重症心不全の場合・刺激伝導系に
異常が生じると心臓収縮の同期が
うまくなくなると血液を効率よく
送り出す事ができなくなります
左心室側に伝導を伝える
「左脚」の伝導が切れ「左脚ブロック」
という状態になると左室内は刺激伝導スピードの
速い「脚」ではなく心室の筋肉をゆっくり
伝わって左心室の内側から外側へ
順次収縮していくようになります
左心室の内側が収縮しても外側の部分は
まだ収縮を始めず外側の部分が収縮する頃には
最初に収縮した内側の部分は拡張を始めます
その結果・左心室の中の血液を
うまく絞り出すことができなくなります
また僧帽弁を閉めるための筋肉収縮にも
ズレが生じるため心室から心房への逆流も増加します
このように心臓の収縮にズレが生じると
心臓のポンプとしての効率が落ち
もともと心臓の収縮機能が落ちている方では
心不全を発症・増悪する事があります
心臓再同期療法
心臓再同期療法CRT
(Cardiac Resynchronization Therapy)
右心室と左心室同時にペーシングを行い
収縮タイミングを補正し心機能を改善させます
拡張型心筋症・陳旧性心筋梗塞などの疾患のため
高度に心機能が低下している重症心不全の症例の
多くは右心室と左心室間に収縮の
タイミングのずれが存在します
その収縮のズレさらに心機能を悪化させています
適応
心電図にて完全左脚ブロック所見がみられる
左心室各部位の壁収縮のタイミングが
ずれ波打つような動きとなる
上記の結果収縮効率が落ち心不全を起こす場合
同期方法
左心室側のリード線は心臓表面を走り
右心房につながる冠静脈洞へ逆行性に
入れていき左心室側壁部に留置します
CRTは右心室側と左心室側に
ペーシングリード入れほぼ同時に
ペーシングをおこない左心室各壁の
収縮のタイミングが同時になるように収縮のずれを修正
左心室の心室中隔(右心室側)とその反対側が
同時に興奮し左心室の収縮効率を上げます
治療効果
同期不全が明らかな症例の多くは心不全の改善を認める
以下の理由で治療に反応しない場合もある
静脈の走行など個々の患者様の解剖学的な特徴
心筋梗塞などで心筋自体が壊死している
(ペーシングをしても動かす事ができない)
また、CRT植え込み後も心不全の内服治療継続は必要
両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器
CRT-D
(Cardiac Resynchronization Therapy-Defibrellator)
ICDとCRTの機能を併せ持ちます
CRTの治療によって重症心不全患者の
QOL上げるという報告がされています
心不全になる患者は心室性不整脈が多くみられます
特に心機能の悪い場合は心臓突然死を
起こす比率も高いと言われています
心機能の悪い症例は心臓死のリスクは高く
1次予防的に除細動器の必要です
心室性不整脈による心臓死のリスクも下げるために
CRTでの心不全治療だけでなくICD機能を持ったものが必要となります
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現役看護師がネフローゼ症候群発症
職場復帰を目指し奮闘する日々を綴っています
異業種約10年働き再び看護師復帰をした経験もあり
自分の経験や初めて入院にまで至った
ネフローゼ症候群について入院の経緯
療養生活の不安などをお伝えし少しでも
同じ症状の方の療養生活や看護や仕事の悩みの参考になればと思います