ステロイド薬と易感染
ネフローゼ症候群について、療養の経緯をお伝えし
少しでも同じ症状の方がの療養生活の参考になればと思います
今回はステロイド薬と易感染性・ワクチン接種を中心に記載しています
ステロイド副作用投与期間と安全域
ステロイドは短期間の投与であれば安全域が広いため
超大量投与も可能だが中等量以上の使用が長期間におよぶと
安全域が狭くなり重篤な副作用が発現します
ステロイドの投与量によって副作用の発現時期は異なります
※ステロイド投与量(プレドニゾロン換算)
少量:1日20mg未満 中等量:1日20mg〜40mg 大量:40mg以上
ステロイド内服と易感染性①
ネフローゼ症候群プチ情報免疫不全
ステロイドは強力な抗炎症作用・免疫抑制作用を有しますが
反面、生体防御機構が低下して感染症を誘発することがあります
易感染性は、以下の作用によって引き起こされます
①T細胞に作用してIL-2、IFN-γの分泌を抑制する
②マクロファージによるIL-1を抑制する
③ヘルパーT細胞、B細胞を抑制し抗体産生を低下させる
④単球、マクロファージの炎症局所への浸潤を抑える
⑤ホスホリパーゼA2、シクロオキシゲナーゼなどの酵素の発現を抑制することにより
プロスタグランジン、ロイコトリエン産生を低下させる
ステロイド内服と易感染性②
感染症の発症リスクは患者背景や基礎疾患・合併症・投与量・投与期間
併用薬剤によって異なりますが、一般に投与量および投与期間に相関します
ステロイドの中等量(プレドニゾロン換算20〜40mg)投与以上になると
感染症の発生頻度は高く・少量(プレドニゾロン換算20mg未満)投与では
頻度は低いですが少量投与であっても免疫力が低下し感染症のリスクは高まると言われています
総投与量(プレドニゾロン換算700mg以上)が多くなるほど発生頻度は増加します
一般細菌感染は中等量のステロイド投与直後から増加し・真菌・結核菌
ウイルスなどの多くの病原体への感染リスクが高くなります
免疫が抑制されると健常な人では発症しない病原性の弱い病原体でも
発症することがあり日和見感染症と呼ばれます
日和見感染は中等量のステロイド投与数ヵ月後から増加します
ステロイド投与中は感染兆候がマスクされやすいため兆候があれば
感染症の関与を疑い正確な鑑別・診断を心がける必要があります
易感染性注意点
①感染症を発症しても発熱やCRPの上昇が認められない場合があることに注意する
②逆に、感染がなくても白血球数が上昇する場合があることを認識する
感染症を疑う兆候があれば、局所炎症症状の確認を行います
発赤・腫脹・疼痛があれば感染を疑い画像診断や病原菌診断を進めます
感染症状が不明確な場合でも最小限呼吸器感染
尿路感染の可能性を考えるよう心がける必要があります
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ステロイド薬とワクチン
ワクチンの種類によって接種に制限がかかることがあります
不活化ワクチン(インフルエンザ、肺炎球菌、Hib(ヒブ)4種混合・日本脳炎など)
ステロイドや免疫抑制剤内服中でも接種は可能ですが注意は必要です
① ステロイドの使用量によっては効果が減弱する可能性があります
接種が待てる状況であれば減量してから接種を行います
② リツキシマブを使用中の患者様は投与直前や投与後最低6ヶ月以内の接種は
効果が減弱することがあります
③ 免疫抑制剤を開始することが事前にわかる状況で急性期でなければ
免疫抑制剤開始 2 週間前までの摂取が推奨されます
生ワクチン(麻疹風疹 MR、水痘、おたふくかぜ、ロタウイルス、BCG)
免疫抑制剤内服中の接種はできません
免疫抑制剤中止後一定の条件を満たせば接種可能になります
水痘ワクチンに関してはステロイド内服中でも一定の条件を満たせば接種可能です
※接種は一刻を争う事は稀なため、主治医と相談し接種時期を検討してください
ネフローゼ症候群とCOVIDワクチン
厚生労働省「ワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の定義について」において
ネフローゼ症候群患者はステロイドや免疫抑制薬の投与を受けている者は
優先接種の対象者と定義づけられています
ワクチンの有効性は
免疫抑制薬服用によってワクチン接種後の抗体獲得効率低下は懸念
されるものの、重症化リスク軽減効果が期待されるため積極的接種を推奨されています
ステロイド薬とCOVIDワクチン
mRNAワクチン・ウイルスベクターワクチンには新型コロナウイルスそのものが
含まれているわけではないのでステロイド内服中副作用による易感染性や
免疫が低下していることが原因でワクチン接種による新型コロナウイルスに
感染することはありません
⼀⽅でワクチンの有効性は接種を受ける人の免疫応答に依存するため免疫が低下
している場合は通常免疫の人と比較し予防接種の効果が低い可能性はあります
実際投与してきました
休職中ではありますが職場よりCOVIDワクチンと
インフルエンザワクチン接種の案内が来ました
早速主治医へ確認したとこと接種は可能とのことで予定を組み接種してきました
投与したワクチン:ファイザー社製 1価オミクロン株XBB.1.5対応ワクチン
今までCOVIDワクチン接種時も3回目ぐらいまではに発熱したいたことと
穿刺部の痛みが出た程度で強い副反応はありませんでした
今回はステロイド内服中の為どのような反応は出るか少し心配ではありました
実際接種後15分間待機においても症状出現なく自宅帰宅も発熱なく
2日後ぐらいまで穿刺部の痛みがる程度でした
ワクチンの有効性は免疫が低下している場合・効果が低い可能性があるため
感染予防対策は今後も継続的に行っていきます
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ステロイド離脱症候群
長期間ステロイドを外部から補給していると副腎皮質が委縮し
ステロイドを作る力が弱くなり体内で作るステロイドの量が少なくなります
この状態でステロイドを急にやめたり飲み忘れたりすると
体内のステロイドの量が急激に減少し不足したステロイドを
自らの副腎皮質からの分泌で補うことができず副腎不全・離脱症状
(低血糖、全身の倦怠感、発熱、低血圧、嘔吐…etc)などの
命にかかわる症状がおこり、さらには病態の再燃・悪化の可能性もあります。
副作用が気になったり症状が改善しても
自己判断での中止は絶対にやめましょう!
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看護師ブログ
ねふなHappyワークライフバランスは看護師が夜勤中に
ネフローゼ症候群発症し職場復帰を目指して奮闘する日々を綴っています
入院した経緯や療養生活で感じた不安などを分かりやすく説明して
同じ症状の方や看護や仕事に悩む方の参考になるようにしています
看護の知識も少しずつまとめて紹介しています
看護師以外の方にも仕事や日常生活をHappyにする情報を提供できればと思っています