クモ膜下出血・看護師ブログ

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看護プチ情報看護知識:クモ膜下出血

ネフローゼ症候群に罹患し職場復帰を目指しています

看護師ブログではプロフィールでもお伝えしている看護師として
勤務後一旦異業種で働き再び看護師復帰をした経験があります

不安や悩み、また参考になったことをお伝えしていき
看護の知識もちょっとずつまとめてアウトプットしていきます

初めて入院にまで至った病気ネフローゼ症候群について入院の経緯をお伝えし
少しでも同じ症状の方がの療養生活の参考になればと思います

今回は体重増加とネフローゼ症候群再発についてお伝えしていきます

クモ膜下出血①

診療イメージ:看護師ブログ
診療イメージ:看護師ブログ

急性クモ膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)
クモ膜下腔に突然出血が生じ急激な頭蓋内圧の上昇をきたした状態

外傷性による出血や脳動脈瘤の破裂が原因で脳動脈瘤の破裂が70~80%を占めます
その他脳動静脈奇形やもやもや病が原因で生じる場合もあります

症状は突然の激しい頭痛・意識障害・嘔吐・項部硬直など
発症時には軽度であっても周術期に重症となる場合もあるため厳重な観察が必要です

発症時の意識障害の程度は予後規定因子となります
発症後に予後を悪化させる因子は「再出血」と「遅発性脳血管攣縮」

クモ膜下出血②破裂部位と特徴的な神経症状

脳は2本の内頚動脈と2本の椎骨動脈によって血液を供給されています

動脈瘤の約90%以上は内頚動脈領域に生じ
脳動脈瘤の破裂部位により現れる症状は異なります

内頚動脈・後交通動脈瘤
発生頻度:20%(両側で40%)
神経症状:一側の動眼神経麻痺

眼動脈起始部の内頚動脈瘤
発生頻度:20%(両側で40%)
神経症状:一側の失明や視力障害

海綿静脈洞部の内頚動脈瘤
発生頻度:20%(両側で40%)
神経症状:目の奥の痛み

前交通動脈
発生頻度:30%
神経症状:一側または両足下肢の一過性麻痺・精神症状・無動性無言・無為

中大脳動脈
発生頻度:10%(両側で20%)
神経症状:片麻痺、失語、動眼・外転・滑車・三叉神経痛障害・下部脳幹神経障害

クモ膜下出血③頭蓋内圧上昇による悪循環

疲労イメージ:看護師ブログ
疲労イメージ:看護師ブログ

脳動脈瘤はクモ膜下腔を走行する脳の主幹動脈の分岐部に存在することが多い

動脈瘤が破裂すると出血がクモ膜下腔に沿って脳や脊髄表面全体に広がるため
急激な頭蓋内圧の上昇をきたします

出血が重度の場合は片麻痺や意識障害といった重篤な神経障害を呈します

クモ膜下腔が出血による血腫によって閉塞されると髄液の流れや吸収が阻害されます
その結果急性水頭症を合併し更に頭蓋内圧の上昇を招き意識・神経障害が悪化する
悪循環となります

クモ膜下出血診断

緊急搬送時より診断と出血源精査が必要です
意識・神経症状の観察は重要でGCSやJCSなどを用いた経時的な評価
並びに神経障害の観察をおこない異常の早期発見に努めます

クモ膜下出血の重症度分類にはHunt and Hess分類・Hunt and Kosnik分類
WFNS(World Federation of NeurosurgicalSocieties:世界脳神経外科連合)による分類
などがあります(一般にGreadeが高いほど予後不良)

Hunt and Hess分類
Hunt and Kosnik分類
WFNS分類
WFNS分類

クモ膜下出血治療

外科的治療
出血後72時間以内に行った早期手術はそれ以降の手術より在院日数を短縮できます

特に重症度が中等度までのものは遅発性脳血管攣縮の発生率や
予後の面でも優れた成績が得られています

クモ膜下出血における手術の適応
早期手術:重症度(GradeⅠ~Ⅲ)
待機手術:重症度(GradeⅣ)

動脈瘤直達手術方法
脳動脈瘤頸部クリッピング術(ネッククリッピング術)
全身麻酔による開頭術が必要で侵襲が大きい術式です

手術時・動脈瘤に近づくために脳を少しづつ引っ張たり寄せたりする必要があり
出血によるダメージが大きく腫脹した脳ではこのことによる損傷が生じやすい

いったんクリップがかかり脳動脈瘤の血流が遮断されると
術後に再出血を起こすことはありません

動脈瘤トラッピング術
ネッククリッピングが困難な場合に行われることが多い術式
動脈瘤の前後2か所で親動脈を閉塞する方法です

開頭手術必要としない術式
コイル塞栓術
大腿動脈などの太い血管を穿刺しカテーテルを通じてコイルを動脈瘤内に
挿入することで脳動脈瘤の破裂を予防する方法です

直達手術と異なり動脈瘤内の血液が固まるまでに時間がかかるため
内破裂に注意する必要性があります

合併症①

看護師ブログ:脳神経イメージ
看護師ブログ:脳神経イメージ

再出血
初回出血から24時間以内(特に発症6時間以内)に発生しやすいです

脳血管攣縮
くも膜下出血によって脳の表面は血液にされされ
この血液にさらされた脳血管が刺激を受け・日を追うごとに縮んで細くなります

脳の血管が細くなると血液が流れにくくなるため脳組織に
十分な酸素や栄養を送ることができなくなります

その結果・脳細胞が酸欠状態になり脳梗塞を引き起こします
クモ膜下出血発症後4~15日の間に発症しやすです

破裂脳動脈瘤の30%が脳虚血症状(神経脱落症状や意識障害)を来します
この時期は主に3H療法がおこなわれます

Hypertension(人為的昇圧療法)
Hypervolemia(循環血液量増加)
Hemodilution(血液希釈法)

脳血管攣縮の発生頻度はクリップ術とコイル塞栓術との比較において
有意な差はみられず予後も同等です

合併症②

急性閉塞性水頭症
クモ膜下出血の20%に発生します

脳室内に発生した出血によって脳脊髄液の流れる通路が閉塞し循環が障害され
脳室が拡大し頭蓋内圧が上昇、これにより脳ヘルニアを合併する可能性があります

術後急性期に脳槽または脳室ドレナージで管理し髄液の量と性状を観察が必要です

感染症
ドレーンチューブ・気管チューブ・カテーテル類を挿入している場合が多い事
術後に持続鎮静薬を使用する為誤嚥のリスクが高まることから感染をおこしやすです

術後出血
脳循環改善薬のファスジルやオザグレルを用いた場合・遅れて出血することがあります

周術期管理とケア

療養サポートイメージ:看護師ブログ
療養サポートイメージ:看護師ブログ

①全身管理
循環血液量(血圧・水分出納・体重・中心静脈圧)血清ナトリウム値
血清タンパク濃度を正常範囲内に保つ特に低ナトリウム血症には注意が必要

動脈血のpHや酸素分圧・二酸化炭素分圧の適正な範囲を維持します
術後は後出血・創部出血・脳浮腫などのリスクがあり頭蓋内圧亢進症状や脳ヘルニアが

生じることがあるため瞳孔不動・血圧上昇・徐脈・チェーンストークス呼吸
意識障害の有無を観察することが重要です

②感染管理
炎症反応として熱型ならびに白血球数やCRPをモニタリングしドレーンや
各種デバイス感染の早期発見に努め必要があります

③栄養管理
絶食や術後の持続鎮静薬の使用などの治療的側面もあり低栄養に陥りやすいです

急性期には侵襲によりエネルギー消費量の増加と
蛋白異化亢進を特徴とする代謝変化が生じます

内分泌学的にはカテコラミン・コルチゾール・グルカゴンなどの
ストレスホルモンの分泌が増加します

またIL-6などの炎症性サイトカインの分泌も亢進します

早期に経腸栄養または、静脈栄養を開始しその効果を血清総蛋白、血清アルブミン
血清プレアルブミンなどの指標を用いて評価する必要があります

栄養管理の成否は創の治癒だけでなく感染防御能に結び付くことも念頭に置き
医療チーム全体で検討していくことが重要です

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